概要
技術士は日本における技術の最高峰の資格として位置づけられ、ワシントン協定において国際的な技術者として確立しています。技術士法において「技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を行う者」として定義されています。第一次試験及び第二次試験に合格後、公益財団法人日本技術士会に登録申請します。本項では情報工学部門の第一次試験について記載しています。
技術士は次の21部門があります。
- 機械
- 船舶・海洋
- 航空・宇宙
- 電気電子
- 化学
- 繊維
- 金属
- 資源工学
- 建設
- 上下水道
- 衛生工学
- 農業
- 森林
- 水産
- 経営工学
- 情報工学
- 応用理学
- 生物工学
- 環境
- 原子力・放射線
- 総合技術監理
時期
第一次試験は、11月の年1回実施されています。
11月
科目
第一次試験は3科目を受験します。
- 専門
- 適性
- 基礎
学習
基礎と適性は電気書院の最新版の問題集、自分の職業分野の一つである情報工学部門の専門は公式の過去問を利用しました。また、電卓の持ち込みが可能ですので利用可能な電卓の種類を確認し準備しておくと計算時間の短縮や検算ができます。
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技術士第一次試験 基礎・適性科目 過去問題集CASIO JS-20WKA
専門
日本技術士会で2011年度(平成23年度)から現在までの14年分の過去問が公開されています。35問出題され、その内25問を選択して回答します。過去問を全て解きつつ情報工学の専門書等で補いました。
過去問題(第一次試験)
専門書
適性
電気書院の2017年度から2023年度までの過去7年間8回分の問題集『基礎・適性科目 過去問題集』を2周しました。15問出題され、全問回答します。電気書院は解説が詳しく重要点が明示されているため、1周目で雰囲気と流れを掴み2周目で完成させました。
基礎
"設計・計画"、"情報・論理"、"解析"、"材料・化学・バイオ"、"環境・エネルギー・技術"の1群から5群まで広範囲から出題されます。各郡6問ずつ出題され、その内3問を選択して回答します。電気書院の2017年度から2023年度までの過去7年間8回分の問題集『基礎・適性科目 過去問題集』を2周しました。電気書院は計算導出の解説が詳しく重要点が明示されているため、1周目で雰囲気と流れを掴み2周目で計算を完成させました。
対策
専門は情報工学の場合、情報通信領域を広くカバーする必要があります。高度情報処理技術者の午前Ⅰ試験や応用情報技術者、高度情報処理技術者及び情報処理安全確保支援士の午前Ⅱ試験、電気通信主任技術者などが同じ範疇となります。応用情報技術者との比較をされることがありますが、応用情報技術者の範囲を把握した上でもう一段階思考するような問題が多く、大学専門課程(第3学年~第4学年)で学ぶ内容も含まれます。参考書が無いと言っても過言ではありませんので、分からない問題は専門書等で調べる必要があります。情報分野は一部判別が難しい問題がありますので、コンピュータネットワーク等の通信分野などを得点源にすることをお勧めします。
適性は、技術士法や技術者倫理が問われますので関連法文や技術者の倫理観を身に着けておくのが良いです。基礎は大学の教養課程(第1学年~第2学年)で学ぶことが多く得意不得意に応じて戦略を立てると良いと思います。私の場合は、"設計・計画"、"情報・論理"、"解析"を得点源とし、"材料・化学・バイオ"、"環境・エネルギー・技術"は分かる部分を拾うという戦略でした。正解だと思った問題が誤答で、解答を絞り出した問題が正解などの場合もあるので出題方法や問題文に慣れておくことも重要です。
全ての資料がデジタル化され、知的業務が人工知能(AI)に置き換わり続ける中、情報工学による研究開発、技術支援は活用範囲と重要性が増していくことが考えられます。この分野では、情報処理学会の専門書があります。
また、最新の技術が出題されることがありますので日本技術士会や情報処理学会、情報処理推進機構が発行する資料や専門誌も目を通しておくことが対策になるでしょう。
本ページは2024年の情報です。内容は予告なく更新されます。